2009年 10月 17日
蕎麦屋03
さて、何しよう。
そうだ、蕎麦屋へ行こう。
-看板-
と言う事で、茅ヶ崎の明静庵八十八(めいせいあんやそはち)さんに行って来ました。
-構え-
創業は昭和五十三年の老舗、すっかり街並みに溶け込んでいます。
まるで酒蔵の様な杉玉、お酒の期待も膨らみます。
暖簾を分け引き戸を開け店内に入ると、一組のお客様が既に蕎麦を手繰っていました。
一番奥のテーブルに腰を下ろしお酒のメニューに目を通す。
誰も出て来ない、どうやら気が付いていない様子。 「大丈夫か、この店?」と、思っていたら、先客の一人が「気が付いてないみたね」と、席を立ち上り「ちょっと、お客さんよ」と、店の奥に声を掛けて下さいました。
初めてのお店、ありがたい事です。
すると、直ぐにご主人が出て来られて「すみません、三時で終わりなんです。もう、蕎麦が無くて」
「えっ、三時で終わりですか?確か四時って聞いてたんですが」
「すみません、蕎麦が無くなっちゃうと、売り切れ終いなんです」
「そうでしたか、お蕎麦はまだ出来ますか?」
「はい、一人前は」
「お酒は呑めますか?」
「ええ、お酒は大丈夫ですよ」
「つまみも何か出来ますか?」
「はい、つけあげと鴨焼きは終わっちゃったんで、それ以外は何でも出来ますよ」
本にも紹介されていたトビウオのすり身を揚げた”つけあげ”と鴨焼きは、是非食してみたいと思っていただけにちょっと残念。
-店主一押しの酒-
「お酒は、ご主人お薦めの丹沢山を下さい。 つまみは、にしんの甘露煮。 声掛けでせいろをお願いします」
あぁ、、、蕎麦前とお蕎麦が頼めてホッとしていると、直ぐにお酒とお通しが出てきました。
-丹沢山 純米吟醸 ひやおろし-
テーブルに出しながらご主人が「辛口ですけど旨味が乗って、毎年良いお酒ですが今年は特に良い出来なんですよ」と、おっしゃってました。
◆原料米:足柄若水 精米歩合:65%
◆酵 母:9号系 日本酒度:+5
◆酸 度:1.9 アミノ酸度:―
香りは、9号系酵母にしては穏やかで控えめ、含むと辛口らしくスーッと入ってくる蕎麦向きな酒質。 少し温度が戻ってくると、米の甘味がジワジワと広がりをみせる実に旨い。 蕎麦屋のご主人が薦めるだけの事はあるなぁと思います。
程なくして甘露煮を持ってきたご主人が「ごゆっくりどうぞ、もう店は閉めてありますから、蕎麦はお客さんの都合で声掛けて下さい」と。
ここで少しご主人と川崎のお店の事、鶴見や葉山の名店の事など気さくにお話して下さいました。
-にしんの甘露煮-
一切れ頂いてから、慌てて写真を撮りました。 甘過ぎず辛過ぎず私好みで丁度良い、酒の肴にも丁度良い。
-店内-
先客も帰られ私ひとりになったので、店内を撮影しました。 明る過ぎず、落ち着いた空間。 壁に飾られたツルウメモドキが季節を演出しています。
お酒を1/4程残したところで、お蕎麦を註文。
-せいろ-
石臼挽き自家製粉の外一で打たれる蕎麦。
細めの蕎麦の中に蕎麦の実の粒々感がある、粗挽きのせいろ。 手繰るとお日様のような蕎麦の香り、先ずは何時ものようにそのまま頂く、強過ぎずほど良いコシがあり、噛締めれば穀物感のある甘味があり喉越しも良い。 二口、三口とそのままで箸が進みます。
今度は汁を少しつけて頂く、鼻に抜ける香りと甘味が増してより美味しい。
お酒を呑みつつ、あっという間に平らげてしまいました。
-蕎麦湯-
湯桶に入れられた蕎麦湯は、ほど良い白濁で挽きぐるみの蕎麦がらも見え隠れしています。 たっぷりと全部頂いちゃいました。 鰹出汁が効いた蕎麦汁をじっくり味あわい、最後に一番濃い白濁の蕎麦湯を頂き、大満足な昼蕎麦でした。
今度は、時間に余裕を持って伺う事をご主人とに伝え店を後にしました。
閉店間際にもかかわらず、丁寧な対応をして頂きありがとうございました。
ご馳走様でした。
住 所:神奈川県茅ケ崎市北東海岸3-13-20
電 話:0467-85-3719
営 業:11:30~16:00(LO15:30)
18:00~21:00(LO20:30)
売り切れ終いあり
定休日:木曜(祝日の場合営業)
交 通:JR茅ケ崎駅南口より徒歩10分
by kebariya
| 2009-10-17 23:12
| 美味しいもの